人魚姫アレルヤ


ある人魚の王様のところに体脂肪ヒトケタのマッチョですが
大変器量のいいアレルヤという人魚がおりました
アレルヤは体育会系の外見とは裏腹にインドア派な人魚でよく難破して海に沈んだ本を
読みふける子でした
20歳を迎えたアレルヤは海の上にいってもいいという許しをもらって
以前から興味のあった海の上にドキドキしながら昇っていきました

しかし体脂肪ヒトケタのアレルヤはバタフライじゃないと水上移動ができませんでした
ある意味怖い光景です

そんなとき大きな人間たちの船が海上に浮かんでるのを見つけます
アレルヤがのぞきこむととても綺麗な衣装を身にまとった人間たちが
大きなパーティーをしているところでした

その中に色が白くてくるくるとした栗毛の青年をみつけて恋におちました
青年の名前はロックオンという名の王子様でした
「なんて素敵な人間なんだろう」
アレルヤはドキドキがとまらないままみていると船が
大きな嵐にあって真っ二つに壊れてしまいます

王子ロックオンはそのまま深い海のところに沈んでいくところをアレルヤは
助けにいきました






海の上に漂っている材木や板に押しつぶされてしまいかねなかったのですが
マッチョはみかけだけでなかったようで迫りくる障害物を殴り飛ばして、王子の助けあげました。

やっとのことで王子を岸辺にあげて無事を確認します
「ああ、この人はなんて綺麗なんだろう。それに
 とてもいいにおいがする」
ある意味本能的に引かれてアレルヤは王子の唇に自分の唇を重ねてキスをしました
どさくさにまぎれて舌を入れたところで人の気配を察してアレルヤは王子から離れて
岩場の影に隠れました
「まるで眠り姫だな・・・・」
金髪で短髪の青年、グラハムがロックオンを見つけて介抱したのでした

「くっそあのアメリ●野郎」

優雅にロックオンをお姫様だっこして連れて行くグラハムの背中を見ながら
アレルヤは素手で岩を砕いていました。




の底に帰ってもずっとロックオンのことが忘れられません
彼の声(呻いていただけだけど)彼の温度、彼の髪の毛、彼の重さ・・・・・・・
大好きな本を読んでも忘れることができず何度も海の上に上ってはロックオンに
会えないかともやもやした日々をすごしていました

そんなとき港のほうまででていたアレルヤは町の漁師たちの噂話でグラハムがたいそう綺麗な
記憶喪失の男の面倒をみているという話を聞きました

アレルヤのロックオンのことに違いありません(もうアレルヤのもんなのか)

どうやらロックオンの好物がウニらしくこのことが漁師の間で話題になったのでした

「こうしちゃいられねーぜ!!」

ハレルヤモードになったアレルヤは(いいにくいなぁもう)
バショウカジキ(早く泳ぐランキングNO1)もけちらす勢いで
紫の魔女のところにいきました

「オイコラ鬼畜眼鏡。人間になれる薬をよこせ」

魔女・ティエリアの家に入って開口一番にこれはストレートすぎますよハレルヤさん

「なんなんだ、アレルヤ・ハプティズム」
紫の魔女ティエリアがうさんくさそうにアレルヤをにらみつけます

「ええとあのその・・・」(もじもじ)

もじゅもじゅするアレルヤにイラっとしたティエリアは机をバンとたたくとビクっっとしてから

一発人間とヤってくるから尻尾が足になる薬をください!」

ああ。アレルヤよけいなことまで言ってしまいました。しかし気にせずティエリアは
言いました。

「等価交換。値するものをもってるのか。」

えーーとえーーとと考えてからアレルヤは自分の髪につけていた綺麗な桜色の
サンゴに真珠をあしらった髪飾りをティエリアにおずおずと差し出しました

「・・・ふむ。他にはないのか、アレルヤ・ハプティズム」

「ええ・・・・うーん・・・あ!!」

自分の胸につけていた帆立を差し出しました
「北海道産の高級帆立なんだけど。あ、バター焼きにして醤油をたらすと
 美味しいです。刺身もいけます」
「・・・・・・酒蒸しにしよう」

納得したティエリアは小さなオレンジ色の小瓶をアレルヤに渡しました
そうです、これが人間になれる薬です

「これで尻尾は足になるしそれなりのモノがつく。
 ただしお前はしゃべれなくなるがな
 思いを伝えないと泡になって消えてしまうから・・・・」

と振り返るとアレルヤはいませんでした

喜び勇んでロックオンのいる港へ向かっていました


はっときがつくとそこはどこかの部屋のベッドにハレルヤは横たわっていました
「・・・・あれ?」
起き上がりシーツをめくるとそこにはちゃんと人間の足と

つくもんがついてました

「・¥あdまwdqpれ@rq!!!!!!!!!!!」
自分の足の間についてるそれなりのモノ(BY魔女)をみてアレルヤはショックを受けました
「な・・なんなのこのエグいものは!!!」
自分のものにエグいとか言っちゃだめですよ、アレルヤ
「目が、覚めたのか」
そこにはアレルヤより小さな男の子、刹那がいました
ここは刹那の家でした。自分の投網にかかったアレルヤを拾って介抱してくれたのは彼でした
アレルヤはお礼を言おうとするのですが口がぱくぱくとなるだけで声が出ませんでした
「・・・・・・喋れないのか」
涙目になってるアレルヤの頭をなでながら
「無理しなくていい。」
刹那は優しく言いました。思ったより人がいいようです。


うまく伝わらないときは筆談をしました
アレルヤは本で文字を覚えていたことをよかったと思いました
そしてどうにか微妙な似顔絵を描いてロックオンのことを聞きました
「・・・・・・・・この男なら知ってる。ウチの常連だ」
なんたる好都合(ご都合主義ともいいます)否、運命でしょうか
「よくグラハムの城から降りてこの辺周辺でウニを買ってるぞ
 漁村の子供たちとベーゴとかメンコやって遊んでる」
アレルヤはぱああと表情が明るくなりました
彼に会える。彼に!!!ロックオンに
嬉しさで胸いっぱいになって泣きそうになりました
察したのか刹那は
「今から漁をして今日の分をウニをとってくる。一緒に行くか?」
と提案をしてくれましたのでアレルヤは漁のお手伝いをすることにしました

「・・・・・・・・・・すごいな」
元魚類です。巣潜りでウニをあっという間に山ほどとってきたアレルヤをみて
刹那はびっくりしました
まだたりない?と首をかしげるアレルヤに刹那が十分だと答えると後ろから声が
かかりました。
「いょーーーう!!大漁だな!刹那!」
声の主はアレルヤの大好きなロックオンでした。




ロックオンはにこにこしながら近づいてきたその瞬間
アレルヤの脳裏にあの意識を失ってるロックオンとのディープキスがフラッシュバックします

『うああああああ・・・・意識失ってる相手にあんなことしちゃったなんてぇえええ』

『お前舌入れていたもんなーヒャハハハ』

ハレルヤが冷やかします

『だって・・・だってええええ』

顔が真っ赤になっていくのがわかりました
恥ずかしくてまともにロックオンの顔が見られません

「刹那。彼初めて見る顔だな?親戚か?」

「いいや、海岸で全裸で倒れてるところを拾ったんだ
お前を探しているようだったから連れてきた。
覚えはないのか?」

「・・・・・・・・・俺の?」

うつむいて震えてるアレルヤのそばまで近づいてロックオンは

「なぁアンタ、名前はなんていうんだ?」

やさしい声でした

「・・・・・・・」

「彼は喋られない。だから俺も彼の名前は知らない」

「!!そうなのか、悪い。」

謝るロックオンにアレルヤは頭をぶんぶんと横に振りました

「彼は字は書けるのか?」

刹那に聞きます

「ああ。ある程度書けるようだ」

頷いてからロックオンは自分の手ひらをアレルヤに差し出しました

「俺の名前はロックオンだ、アンタの名前は?」

おそるおそるアレルヤは彼の手のひらをとって人差し指で
ロックオンの手のひらに自分の名前を書きました

「あれ・・る・・・や・・・アレルヤっていうのか」

名前を呼ばれてやっと顔をあげるとロックオンのきれいな目と目が合いました
そしてまたさっき以上に真っ赤になってしまいました

「そうか。よろしくな、アレルヤ」

にっこりと笑うロックオンに抱きつこうとおもったその瞬間

「私の眠り姫。またこんなところまで降りていたのかい?」


いやな予感がしました。
その声の主はあのアレルヤのポジション>命の恩人を横取りした張本人、グラハムがいたのです。
しかも白馬に乗ってます。ベッタベタです

「だーーかーーらー、眠り姫じゃないっていってるだろ・・・・グラハム。」

ロックオンの後ろではわかる人にはわかる憎悪のオーラをまとった
アレルヤがいるのですがロックオンはグラハムの方を見ていて気がつきません
隣の刹那がなにげにヒいてます

「そちらの者は?」

グラハムにアレルヤをロックオンが紹介しました。
もちろん憎悪のオーラはちゃんと消してましたが

「なるほど・・・ここで会ったも何かの縁です。よかったら
週末私の城でパーティーがあるのでご招待しましょう」

グラハムはアレルヤと刹那をパーティーの招待状を渡すと

「ロックオン。あまり遅くならないように。」
「はいはい、わかってるって・・・」

とロックオンに注意をしてからまた馬に乗って自分の城へ帰ってゆきました

「眠り姫ってなんだ?」

刹那がロックオンにききました
「ん・・・あーー俺のことをたまにそう呼ぶんだよ。
 海辺で打ち上げられたときにそうみえたんだとよ」

あ、また隣でアレルヤが憎悪のオーラを放出してます
グラハムの全てがとことん鼻につくようでした。

「ハレルヤ僕は憂鬱だよ・・・・あんな金髪の
 頭くるくるなやつとロックオンが同じお城に住んでいる
 なんて・・・・・」

「ロックオンもくるくるだろ・・・・。」

「はぁ・・・・せっかく人間になったのに・・・」

脳内会議のアレルヤとハレルヤはしょんぼりしていました

「もういっそさぁ・・・・・記念にロックオンの卵一個
 もらって帰ろうかなぁ・・・海へ・・・・」

「いやいやロックオン人間だから卵産めねーよ」
ハレルヤがつっこんできました
たしかにロックオンは人間ですから卵産めませんよね

「どうした、アレルヤ」
一人ブツブツと言ってるアレルヤを心配して覗き込んできたロックオンをみて
自分の目的を思い出しました

ロックオンのそばにいたい

インドア引きこもりな人魚のアレルヤが(体脂肪一桁だけど)ここまで
必死になって追いかけてきたのはロックオンに会いたかったから

ぎゅう、とロックオンの裾を握ります
切なそうに見つめるまなざしにロックオンはアレルヤの頭をなでながら
「ごめんな、俺事故のショックで記憶がないんだ。
 アレルヤは俺のことを知ってるようだけど俺は
 まだ名前以外はなにも思い出せなくてな。
 アンタにそんな表情させてしまって、ごめんな」
そういって額にキスをしてから耳元で
「また・・・な。」
と囁きました

今日の分のウニを買ってロックオンはお城に帰っていきました

刹那がアレルヤの心配をして覗き込むとアレルヤは

満面の笑みでした

心配して損した。と刹那は思いました


さてお城のパーティーに呼ばれたアレルヤは大変不本意ですがグラハムから借りて正装をして
参加しました
グラハムはどうやらほかの参加者の相手を
していたのでロックオンとバルコニーで二人きりです。
いい感じす
ここで指輪とかもっていたら渡しちゃったりするんですけど
いかんせん魚類なもんでそんな気の利いたものはなく
バイキングのとこからとってきたデザートのドーナツをはんぶんこにして
二人で食べていました。

「不思議だな、アレルヤ。俺はお前と会うのが初めてじゃない気がするんだ」

心の中で「フラグまだたっていた!!」と喜ぶアレルヤ

「記憶がほとんどないっていうのにな。なんか不思議だな」

お前が喋れたらよかったのに、とは言わないロックオンはとても優しいとアレルヤは思いました。

「グラハムに拾われる前に、なんとなく・・覚えてるのは」

『覚えてるのは?!!!!』


ドキドキしながら身を乗り出して耳をかたむけます

「なんかすんげぇ生臭かったんだよな・・・・・」

うんうんと真面目な顔でロックオンは言いました
アレルヤのピキっと罅が入りました

「なんかさぁ・・・口の中がすごい生の魚突っ込まれた感じで
 目が覚めたら口の中にオレンジの鱗たくさん入っていたから
 たぶんなんか勘違いした魚が入っていたかもなぁ、ははははは」
『・・・・・ろ・・・・・』

「ん?」

『それはぼくだよロックオンのばかぁあああああ!!!』

泣きながらロックオンの腰をつかんでバックドロップ→スピニングバードキック→筋肉バスターの
無茶な必殺技をロックオンにクリーンヒットさせました

いかんせん魚類でしたからディープキスも気持ちいいよりなにより生臭かった、
磯臭かったのは仕方ないと思うのですが、見掛けによらず繊細な心の持ち主の
アレルヤには大変ショックだったようでした。

気絶してるロックオンを抱きしめながら
『こ・・・こんなのってないよ、ハレルヤ。こんな
 印象最悪なことって』
えぐえぐと泣くアレルヤにハレルヤはいいました
『しゃーねぇーなぁ・・・もう1発ヤって思い出作って
 海に帰るか?』
『・・・・・そうだね』
『え?マジで???』

そう言い出すとサっとロックオンを抱えてバルコニーからひらりと降りて
海辺近くの空家でおっぱじめました。

そうして念願の朝チュンをかましたアレルヤ。
アレルヤ初めてなのに

スタートが夜8時半からで

終わったのが明け方4時半とか

マムシドリンクのキャッチフレーズでもありえない無茶な
絶倫っぷりをロックオンの体にご披露しました

内3回はハレルヤだったりしますのでマンネリは解消されてるわけですが。
ぐったりのロックオンに最後のキスを、そう思ってかがむといきなり頭をつかまれました
「・・・・・最後のキスとか言ったら撃ち落とすぞ。
 ちゃんと責任とれよ」
とロックオンからキスをされました。

こうして二人は結ばれました。
相手が相手なら強姦罪で訴えられても仕方ない状態でしたがロックオンの器がでかくてよかったですね、アレルヤ。

取り残されたグラハムは必死にロックオンを探しましたが
見つからずビリーと一緒になって落ち着き(ビリーが情報操作したという噂もありますが)ました

海の底ではアレルヤのパパ上、セルゲイがお怒りでお待ちだったりとか

まぁそんなこと愛(ラブ)に夢中な二人にはどうでもいいことですよね。

刹那のところにはたまに二人から高値の海産物が届くようです。


幸せにやってるみたいですよ?

      おしまい

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